2014年8月30日土曜日

14メートルほどの滝の落差は、乾季と雨季の落差で印象がずいぶん変わる

自然との密着取材
-滝つぼ水遊びがクールでホット・エリア!-
 
(ハワイ最新ニュース)
   
ノースショアに ワイメアバレーというハワイの自然、歴史や文化を学べる場所がありますが、このワイメアバレーは、数奇な運命をたどってようやく今の形になりました。

まずは、ここの駐車場山側には、1470年代に作られたといわれるハレ・オ・ロノ・ヘイアウ(Hale O Lono Heiau)跡があります。

古代ハワイアンの四神のうちの1つ、収穫/天候/薬や農業の神である「ロノ」を祭った所で、今は神殿のレプリカで、写真右のようになっています。

この周りはカプ(タブー。立ち入り禁止)となっていて、石を持ち出したり、神聖な祭壇に入ることは禁じられていますのでご注意!


古代ハワイアンにとって大変神聖な場所であるこのワイメアバレーは、ハワイを統一したカメハメハ大王が、1795年最高司祭ヘヴァヘヴァ(Hewahewa)にここを任せたという歴史があり、それ以降の変遷を紐解いてみましょう。

1929年Castle & Cooke会社〈現在のドール〉所有となり、1970年に王族の血を引くビショップ・コーポレーションが購入、1974年から「ワイメア・フォールス・パーク」として一般にも解放されるようになりました。

1990年代に投資家のクリスチャン・ウォルファーが、シーライフパークとともに権利を買い取り、「ワイメア・バレー・アドベンチャー・パーク」と改名。ペイントボールや乗馬、マウンテンバイク、その他アドベンチャースポーツが出来る場所にして売り出そうと試みました。しかし、多くのハワイアンは、歴史あるこの聖地でのビジネスに反対を唱えました。

結局アドベンチャー・ビジネスがうまくいかず2001年破産申請、ホノルル市政府管理の下、National Audubon協会がこの地を借り受け、2003年「ワイメア・バレー・オーデゥボン・センター」として自然や植物をメインにしたセンターとして再オープン。

2006年OHA(Office of Hawaiian Affairs ハワイ人のために諸問題を解決する機関)が正式な所有者となり、2007年オーデュボン協会は撤退。2008年からNPOのHiipakaLLCが管理し、ハワイアンの歴史文化自然を全面にフューチャーした「ワイメア・バレー」として再々オープンし、現在にいたっています。歴史ある広大な場所だけに、再開発で金儲けしたい人もいるし、大規模な洪水被害にちょくちょくあっていて、橋や道路の整備も必要、植物のメインテナンスも大事というわけで、ここに来るまで大変だった・・・。


    
    写真左:野外でのラウハラ織り講習会   写真右:園内はトロピカル植物の宝庫

聖なる水(acred water)という意味を持つここ「Waimea Valley」は、現在150エーカーの土地にハワイ種やトロピカル産を中心に、世界各国の五千種類もの植物が植えられています。

特にジンジャーやヘリコニア、そしてハワイアン・ハイビスカスの珍しい種類が広い公園に植えられ、整備された道を中心に5.6キロほどの静寂な軽い散歩道的なハイキング・コースもあり、テレビの「ロスト」の撮影場所にもなりました。

ずっと歩いていくと、一番奥に13.7メートルの落差があるワイメア滝があり、今では観光客や地元の人が水遊びを楽しむ格好の場所となっていました。

この滝は、乾季にはがっかりさせられるし、豪雨時は大量の水が流れ壮大な滝になり、「がっかり時とすごい時の落差」が大きいのが特徴。

現在、滝には、ライフガードを置き、着替え室もあり、滝つぼで泳ぐ人たちには無料でライフベストを貸し出しています。滝つぼで泳ぐなら、ライフベスト着用Mustとなっていて、小さい子供用から大人用までサイズも色々揃ってます。


ただし、野ブタの尿などから発生する「レプトスピラ症(Leptospirosis)バクテリア」がいる可能性があるので、ここで泳ぐのは「自己責任」ってことになるのでしょう・・・・。

この水を飲まないこと、体に切り傷がある場合は入らないこと、目の中に水をいれないことなど、もし水に入りたい場合は、十分な覚悟と注意が必要。

泳いだ後熱が出たり体調変化があったらすぐに病院に~!!そこまでしても、泳ぎたい人が多いんですねぇ。本日はそんなにきれいな水ではなかったけど、多くの方が、キャーキャーいって泳いでいてびっくり~!!


   
    写真左:滝つぼで楽しんで泳ぐ人たち     写真右:無料で貸し出しているライフベスト

またここには、珍しい鳥も多く見られます。その一番が「アラエ・ウラ」と呼ばれる絶滅危惧種に指定されている水鳥で、このアラエ・ウラは、毎年1月にワイアラエ・カントリークラブで行われるソニーオープンのロゴマークにもなっているんです。

その他、孔雀もいたり、カーディナルやコロアと呼ばれるハワイアン・ダックや文鳥などを始めとした野鳥もトロピカル植物の中で観察可能。孔雀は、食べ物のあるスナック・ショップや駐車場近辺に常駐していて、すぐ見つかる。

      
 写真左:アラエウラ 中:ソニーオープンロゴマーク   右:スナックショップにいる野性(?)の孔雀


舗装された散策コースを往復1時間ほど歩き、木漏れ日のなかで森林浴をし、滝つぼでマイナスイオンを浴び、珍しい植物や花を見て心が洗える「自然との対話」がここの特徴。

このハイキングコースがきつい方には、滝つぼまで片道5ドル、往復8ドルのシャトルも用意され、ドライバーが説明もしてくれるし、植物や歴史の英語オーディオ説明もあります。 


   
  写真左:泳いだ後には舗装されたハイキングコースを散策    写真右:シャトルも用意されてます

そう、ここは今ではハイキング、トロピカル植物のガーデンとして知られ、フラやハワイアン文化・クラフト、レイ・メイキングのクラスも広い園内で開催されていたりという具合で、素朴な自然に密着型の公園/植物園となっていたのです。
  
     写真左:蚊に噛まれました~         写真右:巨大な緑のカーテンが覆っています


今回、久しぶりにここを訪れて思ったのは、今までよりもっと、自然に焦点をさだめ、ハワイアン文化に力を入れ、ハイキングや滝つぼ水遊びという素朴なすごし方をメインに、地元やアメリカ本土からの観光客の間にじわじわ広がっていると感じました。

なお、蚊が案外多いので、長ズボン長袖や、OFFなどの虫除け対策をお忘れなく。

  
     写真左:入場料一覧             写真右:サインもだされ整備された公園内の植物

料金も、思ったよりお値ごろ感があり、自然が好きな方で、ノースショアに行く機会があれば、ぜひ立ち寄っていただきたい所です。個人的に、ここに足を運ぶのは案外大変なので、このハイキングコースを使った興味深いオプショナル・ツアーが出来るといいなと思いました。
 
以上、姫庵からのレポートでした。
 
 
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