2011年9月17日土曜日

モアナルア・ガーデンを寄席にたとえると・・・


「カメハメハさん家」の「トリ」はこっちだ
ー 前座だけ見て帰るの?-


(ハワイ最新情報)日本人がハワイにくると必ずといっていいほど訪れる場所がありますが、実は、ここは、寄席でいえば、前座を訪れているって感あり。

前座だけ見て帰るなんて、菅野美穂が宣伝しているクレープにコーヒーが出てこないって感じ。
その場所とは・・・・ハワイ王朝のカメハメハ家にまつわる場所で、今回はそこを落語界にとらえてみました。
●トリを見ずに、前座だけ見て帰るの?
日本からの観光客が大挙して訪れるのが、「カメハメハ大王像」とモアナルアガーデンにある「この木何の木」。

「カメハメハ大王像」は世界的な観光スポットになっていますが、「この木」には、日本人以外ほとんどといっていいほど訪れません。なぜこの木にこんなに日本人が来るのか、外国人には理解がしにくい。

それは日本のテレビコマーシャルに出てくるモンキーポッド(和名アメリカネムノキ)をこの目で見たいということにほかならないんですが・・・

最近では、左のような「めくり」サインが出て、「日立の樹」というパンフレットまで置かれています。日立は、樹齢130年ほどの「この木」に10年間、毎年40万ドルを支払う契約をしたんだから、宣伝するのも当たり前、 お蔭で我々も入場無料を享受。

「この木なんの木」の22エーカー(8万9千㎡)あるガーデンの維持費は年間60万ドル。

日立というごひいきさんのおかげで、残り20万ドル分を心配すればいい。その分はウエディングやイベント使用料、そして最近できた「ギフトショップ」の儲けでカバー。

「この木」は落語でいうとキャーキャーさわがれている人気絶頂の「前座」ってとこだけど、非常に悩ましいのは、この前座に人気が集中し、ほとんどの客が「二つ目」や「真打」を見ないで帰ってしまう。
注文!!
「モアナルア・寄席」に来たら、「トリ」まで見てほしい。

そもそも、カメハメハ大王の孫カメハメハ5世が、ロット王子と呼ばれた時に、コッテージを建てて暮らしたところが、落語でいうと、寄席にあたるこのモアナルア・ガーデン。

このカメハメハ5世が、当時禁止されていたフラをモアナルアで復活させたので、それを称えて、毎年7月に「プリンスロット・フラフェスティバル」も開催され、これが演芸場の主な出し物の1つ!

パ・フラと呼ばれる盛り土でできた高座(ステージ)もあって、ここで行われるフラ・フェスティバルは自然の中に溶け込んだ、すばらしいフェスティバルとなっている。

だからこそ、ここを訪れた際は、前座の「この木」だけでなく、カメハメハ5世コッテージ、チャイニーズホール、庭園や池とか、現在ではわずかしか残っていない盛り土ステージなど、見てほしい。

前座の「この木」を見て、一緒に写真を撮ったら、ずず~いと奥に行きましょう。急にあたりが暗くなり、静寂が訪れる。

自然の光がスポットライトとして当たり、大樹が客席に蔭をおとし、貿易風が自然の冷房となって涼しさが体を覆う。

と、その時、タロイモ(ハワイではカロKaloといいます)畑が広がる奥から、「真打」登場。本当の値打ちが分かる客を選んで出てくるって寸法。

 「真打」は、もちろん写真左の1850年代に建設されたカメハメハ5世のコッテージのこと。

ビクトリアン・モチーフが使われた平屋の木造建築は3つの部分からなり、居間と寝室、1856年にできた厨房と食堂、そして5世が亡くなった後に作られた娯楽の間って具合で、お互い屋根つきの回廊でつながっていて、1960年現在のこの場所に移されたってわけ。

タロイモ畑に写るコッテージはそりゃあ「真打」、師匠としての風格がある。

落語でいうと「二つ目」にあたるのが、写真右の、コッテージ右隣にある「チャイニーズ・ホール」でしょうか。

中国風とビクトリア風がブレンドされていて、中国で製作、ハワイで組み立てた建物。

さあ、これからハワイに来た時は、イケメン前座「この木なんの木」だけでなく、「モアナルア」寄席の「トリ」にいたるまでを十二分に楽しんでいただけますよねぇ・・・
 それでは今回はこれにてお開きということに・・・



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