2011年9月3日土曜日

特命捜査「ハワイで星条旗を掲げてはいけない場所とはドコだ?」

「ハワイ州旗にまつわる事件簿」
- 滅亡したはずのハワイ王朝領土が存在する?-
真夏日高温と、円高が続いています。日本においては、輸出が不調、輸入は好調。ハワイに来たら消費は甲斐性。こんな中でのハワイ州旗にまつわる事件簿、特殊部隊が調査の任務に!!

●ハワイの中で、星条旗を掲げることができない場所がある???
1959年8月21日ハワイがアメリカの50番目の州になってから、ハワイでは、ユニオンジャックのはいったハワイ州旗(ハワイ語でカ・ハエ・ハワイイ Ka Hae Hawai‘i)と、アメリカ合衆国の星条旗が二つ一緒に掲げられるようになりました。
今回の調査依頼は、ハワイ州旗のみ掲げて、星条旗を掲げてはいけない 場所があるという、なんだか合衆国政府からイチャモンがつきそうな話を耳にしたことからスタート。

そもそもハワイ州旗は1845年にハワイ王朝の旗として制定されたわけで、この州旗だけ掲げて、星条旗が掲げられない場所ってどういうことでしょうか。

つまり、そこはアメリカ領土ではないってことですよね。
ハワイ王朝領であることを意味するってこと?
もし本当なら、こりゃ、特ダネ~~大事件だ~

というわけで調べてみると、確かに当時リリウオカラニ女王とロバート・ウィルコックスの請願により、1900年米国議会において、その場所は合衆国の全ての土地法から除外され、そしてハワイ州旗のみ掲げていいことなどが承認されていたのです。
アメリカ合衆国政府も了解したというその土地、
つまりハワイ王朝領(?)とはどこなのか・・・

ありました、ありました。
オアフ島ヌアヌ(Nuuanu)にある3.5エーカーの土地。
ハワイ王家の土地、ハワイ王朝廟(ロイヤル・マウソレウム The Royal Mausoleum)が、それ。
別名マウナアラ(Mauna‘Ala ハワイ語で、かぐわしき丘という意味)と呼ばれる神聖な王族の墓地。

(土日祭日を除く 月曜から金曜の朝8時~午後4時半 一般公開)

さあ、それではハワイ王朝の土地である、この王族の墓地を表敬参拝と参りましょう。

カメハメハ4世の后エマ女王が植えたと言い伝えられているカマニの大樹が茂り、王朝の金の紋章がある厳かな黒い鉄の門からはいると石造りのチャペルが見えます。



もともと王家の墓というのは、イオラニ宮殿の前庭にあったのですが、いっぱいになったため、1863年カメハメハ4世とエマ女王で、ヌアヌのこの場所「マウナアラ」に移転を決定。

しかし、カメハメハ4世は1863年11月30日に死去。
彼の遺志を受け継いだエマ女王が1864年マウナアラにチャペルのような霊廟を完成させ、カメハメハ4世はここに埋葬されたのでした。

翌1865年10月30日の満月の夜には、1825年以降に亡くなった王族の18棺が、2マイルものトーチライトの厳かな行列とともに、マウナアラの霊廟にお引越し。

その後この霊廟も狭くなり、各王族の棺は、カラカウア系とカメハメハ系に分けられ、それぞれ地下霊廟に収められることになります。また、既存の霊廟は儀式を行うチャペルになりました。

このチャペル裏には、代々この仕事を引き継ぐ墓守が住んでいて、現在はマイオホ(Maioho)牧師がその任にあたっています。

同牧師から、「チェーンをはずしてお参りしていいですよ。」という許可を得て、高い塔のようなモニュメントの正面にある階段を降り、カラカウア大王系の王族が眠る地下霊廟へ。
  

ハワイ王朝の紋章がついた由緒ある鉄のドアにレイを捧げ表敬。
ドアの隙間から、祭壇やカラカウア大王の胸像などを垣間見ることができます。
 
さて、カメハメハ大王のひ孫でカメハメハ学校の創立者バニース・パウアヒが1884年に亡くなると、その夫であるビショップ氏は、霊廟が手狭になったため、カメハメハ王系の王族の棺は、写真左の墓の地下に移すことを決定。
1887年11月9日の夜カメハメハ2世~5世をはじめカメハメハ系王族21の棺が、霊廟からここの地下霊廟に移転されました。

ということで、このハワイ王朝廟では、ハワイ州旗のみオーケーで、星条旗はダメという理由や、王族の墓の詳しい様子が、お分かりいただけたでしょうか。

なお、余談ですが、ハワイ王朝7代のうち、このハワイ王朝廟に葬られていない王が二人います。その二人はハワイ王朝から勘当されたわけではなく、理由はこんなこと・・・

1.初代カメハメハ大王
余りに偉大だったために、死後彼の超自然力(マナ)を求める人が、遺骨を盗めないようにということで、誰も知られない場所に眠っています。人によってはハワイ島コハラコーストの海中洞窟の中とか、ハワイ島のワイピオ洞窟の中だとか・・・いまだどこにあるのかは謎のまた謎・・・。

2.6代ルナリロ王
ルナリロ王はカメハメハ5世の死後、選挙で選ばれた王であり、「人民の中で」という遺言に従い、このマウナアラには埋葬されておりません。
ルナリロ王の墓は、ダウンタウンのイオラニ宮殿斜め向かい、ハワイ最古のカワイアハオ教会の入り口右手となります。

以上をもって今回の事件簿一件落着!!

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