直撃取材で桜の秘話に体当たり!!
ーまたまた、百文は一会にしかず-
ハワイの寒緋桜(写真右:)は台湾桜の日本名だと牧野植物園の名誉園長小山博士に電話でインタビューした時に教えていただきました。
ワヒアワで1~2月に咲く寒緋桜は下に向いて咲き、しかも満開の華やかさがあまりないことは先回レポート済ですが、それでも日系人は桜を求めてやみません。
ワヒアワ地区に住む年配の日系人は、満開の桜の下でお花見をしたいが年齢的体力的に日本まで見に行けない方も多いとか。
その夢をかなえさせようと草の根運動がスタートし、それが実現したのが、今年2月17日でした。
ドール・プランテーションの隣にあるヘレマノ・プランテーションが土地を提供し、手始めに12本の高知県の桜が植樹されたのです。
今回はこれに携わったオアフ島の「桜の並木小委員会」のノリエ委員長と、実務をこなすシズコさんに直撃取材し、秘話を入手してきました!!
(その1)桜餅の葉に使われる「大島桜」と高知県なのに「センダイヤ」桜の一騎打ち。
どっちに軍配があがった??
この植樹に先立ち、ハワイ大学で預かってもらっていた大島桜とセンダイヤ桜の苗16本をワヒアワにある個人の家々に頼んで大事に育ててもらった。3年たったところでの、ワヒアワで桜を咲かせる対抗戦に軍配があがったのは~?!!
寒緋桜を地元で育てているTさんは、その経験を買われ、それぞれ苗を1本ずつ受け取った。高地で寒暖の差が大きいといわれるワヒアワでも、日本の桜には気温が暖かすぎて絶対咲かないと踏んだTさんの行為が勝敗を決めたのだった。
ダメだと踏んだセンダイヤ桜を友人にあげ、香りのよい葉を持つ大島桜を手元に置き、花がなくとも少なくとも葉っぱで楽しもう、味わおうとした。しかし、その結果友人宅のセンダイヤ桜は咲き、Tさんの大島桜は、葉っぱだけ・・・
(その2)桜並木の下でのお花見はできるのか?
桜の苗木を植える場所については、寒暖の差が一番激しいカリフォルニア通りが一番いい条件だが、それぞれの個人のお宅と交渉しなくてはいけないこと、またこの通りは、ギネスブックに教会や寺院が一番多い通りとして載ったこともある上学校もあり、こういった組織団体との交渉は時間がかかる。
しかも道路に沿って植えたのでは、花の下でゴザを敷いてお花見を楽しむという夢はかなえられない。
今回植樹されたヘレマノは屋根のついたパビリオンの両側の広い芝生の広場に植えたので、希望通りのお花見は、花さえさけば可能となった。その上ヘレマノは10エーカーもあるので、今後並木道にしていくことも不可能ではない。
(その3)今回植樹された桜の苗は接ぎ木か、挿し木か、それとも種から?
このセンダイヤ桜は高知県の牧野植物園にあるセンダイヤ桜(写真左 写真提供牧野植物園)の種から生まれた苗で、花はソメイヨシノに比べてもっとピンクで見栄えがするんですって。
鳥が食べてしまうので、種を集めるのが大変だったし、加えてアメリカに種を輸出するのは法律上難しく、一回限りの特別対応OKで何とかクリアー。
集められた種子は発芽がうまくいくように出発寸前まで低温処理で人工的に冬にしてから、ハワイに持ってきたんだって~!!
植樹がされたヘレマノ・プランテーションは1980年にスザンナ・チャンさんによりスタートした知的障害者施設で、10エーカーの土地の中に彼らが生活するグループホームや、作業センターや訓練所、レストラン、ギフトショップなどがあります。
グループホームで寝食を共にしながら生活したり、あるいは自宅から通う人もいて、ここで訓練と雇用を提供するのです。年齢は18歳から66歳までで、発達障害や精神遅滞の方が対象です。
(その4)植樹された苗に囲いがあるのはなぜだ?
桜が植えられている場所は、レストランからはちょっと離れたパビリオンのある広場ですが、どの苗も網で囲いがしてあります。
理由は、ここに出てくる野ブタが桜の葉を美味しいと食べてしまったので、1本1本網で囲いをして防豚(ボウトン)したんですって。
写真左:パビリオンの広場の桜 写真右:網に囲まれて安全な桜
(その5)できたばかりで真新しい石碑も置かれているが、ハワイとしたことが、手際がいい、どうした、どこから持ってきた?
「Japanese flowering cherry」という真新しい大きな石碑が、苗のそばに置かれています。
これは東京渋谷ロータリークラブが日本で特注した100ポンド(45キロ強)もある石碑で、USPを使って4日もかからずに日本からヘレマノまで空輸したんですって。さすがぁ~!!
桜の場所を拝見した後に、ヘレマノのレストランでバイキング(一人税込みとチップで12ドル弱)を食べましたが、どれも我々が行った時にちょうど厨房から出された作り立てで、タイミングがばっちり、とても美味しい上に、野菜が新鮮で甘いこと。
係の人に聞いたら「ここで育てたものを出しているのです。」だって。納得~!! この値段では安いと思って、お代わりを2回した。
写真:ブッフェラインとお皿に乗せた食事とサラダ
ギフトショップではホットドッグのようなスナックを売る傍ら、パパイヤやサラダ菜なども即売していましたし、施設の方が作ったというお皿やカップなどお土産物もならんでいました。
写真左:施設の方が作ったお皿など 写真右:野菜果物即売コーナー
レストランは100名ほど入る大きさで、日本からの学生グループや団体のツアー客がランチに利用することも多く、周りにはトロピカル植物もたくさん植えられています。ドールだけでなくヘレマノにもぜひお越しください~!!
写真左:ブッフェの店内 写真右:ハレマノ・プランテーションの庭
取材さまさまの姫庵より
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